不正事例:まさか?な店舗現金不正事例のあれこれ

不正事例

店舗に保管している現金とは?

食店において、店舗で保管する現金と言えば、

釣銭金小口、そして入金前の売上金ですが、

そもそも自店舗においての釣銭金及び小口の妥当な金額とはいくらでしょうか?

・釣銭金は、店舗の売上や価格帯、また価格設定、
レジの個数、キャッシュレス決済の割合など、
それぞれの要素を加味しながら決められていると思います。

・小口は、予想使用金額や内訳などから設定していると思います。

万が一不正があった時には、
実害をどれだけ減らすことができるか

と、実害だけでなく、
対応する時間や人に関わるダメージも大きいので、
いかに事前に予防できるかも大きなポイントです。

当然ですが、不正があった場合を含めての、
店舗の保険はしっかり入っておきましょう

 

現金に関わる不正事例集

1:釣銭金不正

私が過去に在籍したグループの他コンセプト基幹店。
月売上、当時6千万円を超えていたと思います。
3フロアからなる大箱で、キャッシュドロワー数が確か2つ。

釣銭金額がうる覚えなのですが、たしか40万円。
もしかしたら、もう少し多かったかもしれません。

朝5時まで営業していたお店でしたので、レジ締めは明け方に行われています。
バックヤードに入金機が設置してあり、各スタッフが自身で会計した売上金は、
それぞれが退勤時に入金し、釣銭金も営業最後に一旦全て入金機に入れ保管、
翌日オープン時に、釣銭金を入金機から出すオペレーション。

売上金は翌日お昼間に、警備会社の方が回収、翌日釣銭金もその時に準備されていました。

ある時、明け方のレジ締めの際、担当者が少し目を離した隙に、
入金機に入れる前の釣銭金が全て無くなる
という事件が発生しました。

当然内輪の犯行ですが、当時カメラなどが無かった時代で、
以後厳重注意という形で、店長会議で共有されました。

ところが翌月の店長会議で、
また同じ事例が同店で起こったと発表されました。
びっくりです。

前回の徹底した追及が無かったのか、犯人は同一人物なのか、模倣犯なのか、そもそもレジ締めは同じ担当者だったのか、
なにより一度犯したミスをまた繰り返したことに、全員驚きました。

最終的な顛末までは公表されなかったので、犯人が見つかったのかどうかは不明ですが、
責任者の減給だけが発表されたことを覚えています。

不正が起これば徹底した追及と、再発防止の仕組みづくりはセットで

2:釣銭金不正その2

以下は一緒に働いたことがあるスタッフ自身の話からです。

勤務していたお店は、オーナーの本業が不動産業で、
そのスタッフを料理長兼責任者、唯一の社員として飲食店を運営していたのですが、
店の売上も芳しくない状況だった際に、給与の遅延がしばしば発生していたとのことでした。

オーナーに連絡しても繋がらなかったり、留守だったりしたので、
未払い期間~当日までの給与と交通費を換算して、
レジに入っていた売上金と釣銭金から換算した額を持って、バックレた。と。

勤務していたアルバイトスタッフに、
その旨をオーナーに伝えてくれ。と言い残して。

給与の遅延があった事はよくないですが、それを堂々と行ったこと。
また、堂々と言うそのスタッフにも呆れたことを覚えています。

売上と釣銭金を持ち逃げされるようなシチュエーションには注意。

 

 

3:売上金横領

自分が責任者だった、ある会社の売上金管理。
そこでは店舗内の金庫に売上金を保管して、
翌銀行営業日に入金しに行く。
というオペレーションでした。
テナントに入っている店舗でない限り、
この形が最も多いように思います。

GWや年末年始などは、多額の売上金が金庫に積み重なっていくので、個人的に不安で本社に保管をお願いしたこともあります。

事実その店舗では過去に、
売上金が溜まった時を見計らって
まるごと横領したスタッフがいたそうです。
カメラが設置されていた為、あっという間に捕まったそうですが。

店舗の金庫は、複数人が管理する必要性があり、
今までも、金庫の施錠忘れだったり、
それこそ釣銭金の金庫しまい忘れなど、
ふとした気の緩みからのミスが散見されていました。

が、金庫がある一定時間閉まらない場合に、
アラートが鳴るというセキュリティがあったため、リスク回避が出来ていました。

カメラの設置や、リスクに備えるセキュリティの導入などが有効。

 

 

4:小口の不正

過去に在籍していたある店舗では、自宅が遠いという理由から、
頻繁に店泊していたスタッフがいました。

セキュリティ上  だけでなく、
(タバコを吸う人なら火災や、店舗施錠忘れなどでの店舗侵入のリスク)

コスト的にも良くない  のですが、
(空調を使用するなどの光熱費増のリスク)

問題は、
そのスタッフは店泊時に手持ちの現金がないと、
店舗の小口を使用していました。

近所のコンビニでお酒を買ったり、
漫画喫茶に行ってシャワー浴びたり。

月末の小口集計前には補填する。
ということは一応守っていましたが、
そもそも小口を自分の財布の様に使用できる事自体が問題です。

自分が勤務するだいぶ以前から、暗黙の了解になっていたようでしたが、
たまたま、その後すぐに異動になったので、一安心しました。

小口は最低限の準備で。高額なものは事前申請で用意。

5:小口の不正その2

これも、一緒に働いたことがあるスタッフ自身の話からです。

ある他社店舗に在籍していた時に、
店舗の消耗品は全て近所の薬局に買い出しに行っていたそうです。

キッチンの消耗品、例えばラップやキッチンペーパーはじめ、
ホールのトイレ消耗品など多岐に渡ったそうで、
それらの支払いは、領収証の発行をしてもらって、
小口対応していたそうです。

一ヶ月の支払いが結構な金額になるので、
その薬局のポイントカードを作成し、
そのポイントは全て自分のもの。

それだけならまだしも、当時はインボイス制度の前だったため、
領収証に商品の詳細は書かれない事をいいことに、

自分の家庭用の消耗品も、当然に一緒に買って、
挙句の果てには栄養ドリンクまで買うこともあったそうです。

それを堂々と言う事自体、自分の信用を無くす。
ということに気付いていないのも哀れですが、
おかげでそのスタッフの行動に注視しておく必要があると思わされたので、リスク管理としては良かったと思いました。

商品の詳細が分からない小口利用は避けましょう。
店舗に現金は必要最低限であることを前提に、
リスクに備えた設備投資と、オペレーションで対応しましょう。
以下はスーパーの釣銭金に関しての卒業論文ですが、
とても面白い内容だったのでリンクを貼っておきました。
興味がある方は是非ご覧になってみてください。
釣銭金の考察(外部リンク)

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました