週ごとの単純原価率の算出は、棚の不正防止に有効

抑止力のあるオペレーション

単純原価率とは?

一般的な原価率は、

原価(前月棚+当月仕入れ-当月棚)額÷売上高×100

で算出しますが、

単純原価率とは、その名の通りシンプルに、
設定した期間内の仕入れ額÷売上高×100で算出します。

 

以前いた職場では、責任者は週ごとに、

・予算対比売上実績
・単純原価率
・人件費

を算出し、指定のフォーマットで報告する義務がありました。
(以下、週報といいます。)

当時は複数店舗を抱えていたこともあり、
多忙の中、週報の提出が苦痛に感じていましたが、
経営者側に立つと、この重要性がよくわかります。

売上は日々追いかけていますので頭に入っていますが、
原価率、もっと細かく言えば各業者の仕入れ額までは、なかなか頭に入っていません。
そこで、週ごとに各カテゴリーや、業者ごとの仕入金額を見ていると、
売上に対しての各業者の仕入れ額は、ほぼ分かるようになってきます。

 

そもそも週ごとにきちんと管理出来ていれば、
単純原価率が、ある一定の%になっているはずで、
時折、な上ブレに気付く時があります。

月が終わって棚卸後の原価率算出を行う以前に、
この週ごとのの答え合わせをしておくと、
修正・解決がスピードを持って行えて、容易くなる。
という理由から、週報の重要性がよく分かります。

 

 

単純原価率がブレるとき

もそも【一般的な原価率がブレる原因】は以下です。

ロスが多いとき
賄いにコストをかけすぎているとき

・オーバー、アンダーポーションの多いとき
棚卸のカウントミス
・仕入れアイテムの価格変更があったとき
不正を行っているとき

などです。それ以外にも、
特に料理長やスタッフが変わった時は、原価率が一番ブレるときです。

メニュー変更や、使用する食材の変更、時には業者の変更、
棚卸の考え方の違い・・・ざっと挙げてもこれだけあります。
上記の複数の要因が重なり合って、一般的な原価率が大きく変動する可能性があるのでご注意ください。

続いて単純原価率が上ブレする原因は、上記に加えて、(棚卸を除く)

・カレンダー上、まとめて発注が必要な時
・ロットが大きいものや高額な食材を発注した時
などです。
カレンダー上とは、年末年始やGWなどの、業者が休んでいる関係で、まとまった数を発注せざるを得ない時に起こります。
また、ロットが大きいものや高額なものも、在庫の減少と共に必要になるものですので、これらは予想することが可能です。
そうした場合、週報では一旦、仕入れ額が跳ね上がりますが、
ランニングで見ると、その後落ち着いてくるべきです。
この数字が落ちて来ない。や、従来より高止まりしている。
という状況は、異変があったという事なので、原因の追究を行います。
異変を調査する際は、前述の【一般的な原価率がブレる原因】で書いた内容を、
一つ一つ調べていきます。その際に赤文字の項目が、不正の可能性がある個所です。
一番悪質なのは、横領する不正を行っているとき。
例えば食材を意図的に過発注して持って帰ったり、
ワインなどの商材を持ち帰ったりする不正です。
次に、不正予備軍として、ロスが挙げられます。
ロスには【賞味期限切れ】と、【オーダーミス】がありますが、
ロスが多いことと、賄いのコストUPは相関関係にあります。
賞味期限切れを現場で意図的にロスとして、賄いに回す。という不正も考えられます。

単純原価率で、不正を予防する

不正を予防するために必要な手段として、
単純原価率の集計を行うことをお勧めしています
オーナーは、週報業務のようにタイムリーな数字を提出させ、追いかけることにより、
数字の管理を現場に意識させることは勿論、不審な点を指摘・確認することで、
現場への見られている意識を高めさせ【不正抑止効果】を高めることができます

棚卸のカウントミスは、週報には属さない内容なのですが、
こちらに書いたように意図的に行われる不正もありますので、
二人で行うことをお勧めしています。

 

単純原価率の確認は、プラットフォームの活用がおススメ

では、ここまで話して、
そもそも週ごとの仕入れ原価って、一つ一つ伝票整理して算出するのが面倒じゃないですか?
と思われるかもしれません。
そこで、BtoBプラットフォームの使用です。以前在籍していた会社では、
インフォマート】というプラットフォームを使用していました。
使用している会社がとても多いからです。
既に導入されているのであれば、ぜひ活用してみてください。
プラットフォーム内で集計が簡単にできますし、
慣れるまではある程度時間がかかりますが、
そもそもの機能が、現場の人員不足を少しは緩和してくれると思います。
人員不足の昨今、現場に極力負担はかけたくないでしょう。
週報の本来の趣旨は、数字の把握と対応。
そして期待する効果が適正な管理と不正抑止であるのですが、
本社で単純原価を算出して、現場へフィードバックする。という手法も可能です。
是非お勧めします。

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