不正防止管理術:金券発行及び、利用時の会計注意点について

不正防止管理術

自店舗で金券が使用される際には?

らく大なり小なり、金券や食事券と呼ばれるお客様還元の販促を、
一度は使用したことがあるのではないでしょうか?

飲食店で利用される金券には、カード会社の発券であったり、商業施設発券の物など様々です。
中には自社の株主優待や、自店舗で発行するものもあるでしょう。

不正に気を付けなければいけないのは、
不特定多数に配布する金券があった場合です。

例えば「〇〇円値引き券」を、会計時全員にお配りする
などは、危険性があるという認識を持ち易いのではないかと思います。

値引金額が小さければ、管理に時間を費やすことが煩わしくもあり、
さほど気にも留めていないかもしれませんが、
管理が甘ければ、ほころびは起きやすいので、注意が必要です。

使用するお客様が簡単であること。
そして、店舗側も管理しやすいこと。

が目指すべきゴールであることは言うまでもありません。

 

 

不正に流用される可能性

のケースは、商業施設での金券についてです。

ある商業施設では定期的に、
〇〇円以上利用されたら、スクラッチカードを1枚進呈
というキャンペーンを行っていました。

このスクラッチカードの当たりは1000円の金券になり、
その金券は商業施設内のほとんどの店舗で使用できます。
キャンペーンが始まる前に、
まとまった数が商業施設から配布されるのですが、
余りにも数が多いので、赴任前からいるスタッフに、
残ったものはどうするの?と聞いた事があります。
全部廃棄です。以前も配布残りが沢山あったので、最後にみんなで全部スクラッチして、何枚当たっているか調べたことがありました。」
と、そのスタッフが笑いながら教えてくれました。
もちろん当たっているもの含めて、全て廃棄したそうですが。
商業施設からの取り扱い説明書に、
スタッフ及び関係者が使用するのは禁止と、当然記載されています。
スタッフは館内に顔見知りができることが多いので、
この人見たことあるなと発覚する可能性があり、本人の使用は無いとしても、
親類や友人に横流しする危険性は、少なからずあると思います。
ある時、当たりカード使用期限の最終日に、ランチタイム利用のご家族のお客様が、
支払金額の端数除く1000円単位をすべて、当たりカードで支払われるケースに遭遇しました。
よほどこの商業施設にお金を落としていないと、
獲得出来ないであろう当たり枚数に違和感を感じながら、
会計後にカード配布店舗名を確認すると、全て同じでした。
当たり券はレシートと共に商業施設に提出するので、その後は知りませんが、おそらく商業施設側も同様に感じるのではないかと。
スクラッチカードに店舗名を記入して配布することは必須オペレーションなのですが、
使用される際に店舗の記入が例え無かったとしても、ご利用のお断りが出来るわけではなかったので、不正の原因となりえました。
例えば自店舗に配布されたスクラッチカードの当たり券を集めて
・VOID処理をする不正であったり、レシート不要の会計に使用する不正が可能になる
・親族や知人への当たり券の配布の可能性がある
という不正の危険性があります。

自店舗で金券が発行される際に考えるべきは?

券発行時の不正防止策としては、
スクラッチカードに通し番号を付け、その番号で配布店舗が分かる。
という仕組みが一番良いなと思いますが、コストが余分にかかります
お客様への負担はないが、自社への負担が増える

もしくは、スマホアプリのスクラッチで対応。
発行元も管理しやすくなりますが、これも
アプリを登録してくれるか?が課題になります。
自社への負担が減るが、お客様への負担が増える

なので、シンプルにスクラッチカードや金券を配布して、
不正の危険性は置いといて積極的に利用してもらう
という方法が続くわけですね。

自店舗で金券を発行しているのであれば、
趣旨を鑑みて、お客様への負担が増えてもなお、魅力的であるものなど、
どういう発行・管理オペレーションが妥当か是非ご一考下さいませ。

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