不正防止:POSシステムでのジャーナル管理と内容精査の重要性とは?

不正防止管理術

実害が一番大きい【カネ】の不正。

正が起こりうる内容として、大きなカテゴリーでいうと【ヒト・モノ・カネ】があります。

ここではカネ、特に現金にフォーカスします。

 

飲食店で現金の不正を行われやすいのが、現金会計での横領です。

では横領を行うには、どんな状況が整えば可能でしょうか?
以下は前提でPOSシステムを使用している場合に行われている手段としてお伝えします。

 

VOID処理

スタッフが横領を行う方法の一つに、
【VOID処理】と呼ばれるものがあります。

これは、お客様との取引が終わった現金会計を取引前に戻す不正です。

具体的には、お客様との会計終了後に、POSシステム上で取引前の状態に戻し、
幾つかの商品を取消して会計額を減らし、再度会計を行います。
そうすることで取消した商品の金額がレジ内で浮くので、それを着服するという方法です。

ではなぜ、このような横領の手段が存在するのでしょうか?
VOID処理は、以下のような状況で使用されることがあります。

 

会計処理方法の訂正

例:カード決済だったが、POS上で誤って現金会計を押してしまった。
作業:取引内容の変更を行う。

この場合、人的なミスによることが多いので、
不正などの問題が無いことが多いです。

 

会計後に行う、会計内容の変更

  • 特定の割引が行われておらず、それに気づかず会計した場合
  • 注文していないアイテムが含まれていた
  • 注文したが提供されていないアイテムが含まれていた
  • 内容や数が違っていた

こうした場合、該当箇所の修正を行い、再度会計を行うことがあります。

これらは人為的ミスであり、経験上VOID処理が頻繁に発生します。
人為的ミスでVOID処理は避けられないものですが、
重要なのは、その処理が本当に必要だったか?を、確認することです。

 

オーダー取消

オーダー取消もVOID処理と同様の方法で、
取引が終了した後に全てを取り消し、会計額を横領する方法です。

オーダー取消を行う正しい理由というのは、かなりレアなケースです。
余程のことがない限りあり得ません

例)
大きなクレームがあり、会計を一切頂かずにお帰り頂く。
周囲への迷惑が著しく大きかったため、会計不要でお帰り頂くなど。

詳細は割愛しますが、人為的ミスで起きている事例も、経験上いくつかありました。
上記以外の理由でも、お店の特性によって何かしらの理由が考えられます。

 

オーダーキャンセル

会計が完了する前に、幾つかのアイテムを取り消す行為です。
前述の会計後のVOID処理の内容を、会計前に行う様なものです。

オーダーキャンセルが行われる主な理由として、
VOID処理と重複するところもありますが、

  • オーダーを貰ったが提供されていなかったアイテムがある
  • オーダーを間違えた
  • オーダーが実際に提供した数よりも多くカウントされている
  • 内容に関してのクレームがあった

などが、経験上行われた事のある理由です。

上のような正当な理由があれば問題ありませんが、
意図的にアイテムを削除して着服するケースもある為、
オーダーキャンセルに関しては、念入りに確認を行う必要があります。

 

 

正しい理由か、確認する仕組みがあるか?

事なのは、これらの処理には正しい理由が有ったか?を、
確認する仕組みが必要です。

POSシステムを使用すると、VOID処理とオーダー取消の件数を、
日次のレポートで確認できます。

ある企業では、VOID処理が行われた場合、
専用のフォーマットに理由を明記し、

レシートの写真とともにクラウドにUPし、本社の担当者が確認しておりました。

やはりその企業も、過去にVOID処理での横領が発生したから行われている対策でした。
この方法は手間がかかりますが、VOID処理が必要な理由を確認するのに役立ちます。

現場としては、報告がかなり手間であり面倒くさいので、
VOID処理を極力行わないように留意する姿勢が生まれますし、
そもそも一番重要である

不正がないか管理されている

意識は刷り込まれます。
不正を未然に防ぐ最も有効な手段が、管理されていると意識させることです。
オーナーや経営者は、是非とも不正がないか確認する仕組みの構築をお勧めします。

例えばVOID処理やオーダーキャンセルは、
個人で行うべきものではなく、複数人の確認後に行うようにする。
などの仕組みが必要です。

 

しかし、最近の不正はより巧妙になっています。
(公には書けない事もあります)
気付けるのは、現場をよく知るプロフェッショナルです。

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